金色のガッシュ!!

【金色のガッシュ!!】ストーリー解説③ ~ファウード編~

金色のガッシュ!!のストーリー及び設定を解説します。

第3回は今作の最長編である“ファウード編”です。

前回の”千年前の魔物編”とは異なり、ストーリーに進行に応じてガッシュ・清麿たちの動向や目的が目まぐるしく変わりました。

概要

アース・コーラルQの襲撃

死闘を終えて一息ついたガッシュたちのもとへコーラルQが襲撃してきます。

コーラルQは千年前の魔物たちが猛威を振るっていた時には身を潜め、入念にほかの魔物たちを観察していました。

そのためガッシュの呪文も知り尽くしており、優位に戦闘を進めます。

 

清麿が“ザグルゼムの新たな可能性”に気付いたことで戦闘に勝利しますが、コーラルQは去り際に不吉なメッセージを残します。

コーラルQ「数日前から私のレーダーがおかしな反応を捉えた。魔物ではあるが、魔物ではありえぬものだ。」

謎の建造物の出現

まもなく人間界に、山脈よりもはるかに巨大な謎の建造物が見つかります。もちろんそれは世界中に知れ渡り、そして同時期に襲撃してきたアースにより、ガッシュと清麿は”人間界に表れた脅威(ファウード)”の存在を知ります。

 

建造物は一見すると“巨大な鍵穴がついた塔”のように見えます。

しかし、キャンチョメの指摘によりその正体が巨大な人型の魔物であることに気付きました。

にわかには信じられない一同でしたが、同時に、それが暴れだすことを想像し戦慄します。

 

同じころ、建造物を見たゼオンはその正体を思い出します。

ーー魔導巨兵ファウード

はるか昔に作られた魔界の兵器でしたが、あまりにも危険だったためファウードは魔界の極地に封印されていました。

 

後にわかりましたが、ファウードを人間界に持ち込んだのはリオウとその一族であり、ファウードを使って確実に戦いに勝とうと考えたそうです。

リオウは人間を呪殺する能力を持ち、それを脅迫材料にしながらファウードを開放するための手下を集めていました。

そしてその中には千年前の魔物編で共に戦ったウォンレイ・リィエンペアや後に仲間となるリーヤ・アリシエペアもいました。

魔界転送計画

ファウードを止めるために清麿とガッシュは仲間たちと共に現地へ向かいます。

そして敵の首魁を見つけ攻撃しますが、その攻撃はウォンレイに止められ、さらにリィエンにかけられた呪いのことを知ります。

清麿は仲間の命とファウードの脅威という取捨選択を迫られますが、そこでファウードに内蔵された転送装置の存在を知りました。

そこで清麿は

  1. ファウードの転送装置を見つけ、タイマーをセットする。
  2. ファウードの解放に協力し、仲間たちの呪いを解く。
  3. 転送装置を使用し、ファウードを魔界に転送する。

という作戦を立てます。

そして転送装置を見つけた清麿は魔界文字を解読し、装置のタイマーをセットします。さらにファウードの封印を解き、リィエンたちにかけられた呪いを解くのでした。

 

リオウの襲撃

順調に作戦を進めていく清麿たちの前にリオウが立ちはだかります。

リオウの要求はただ一つ

「転送装置を含むファウードへの妨害を解除しろ」

 

当然清麿はこれを拒否し、戦闘が始まります。

しかし、これまでの戦いでガッシュと清麿は疲弊しており、対するリオウは万全の状態なうえに相当の実力を持っています。

まるで詰将棋のように追い詰められた清麿は、命を捨ててリオウと刺し違える覚悟を決めます。間一髪のところで仲間たちが駆け付け、リオウはその場を離れましたが清麿は意識を失いました。

 

なお、リオウに清麿を侮辱されたガッシュは激しく怒り、のちに新たなる力を覚醒させることになります。

ゼオンの襲撃

リオウがガッシュとの戦闘を終えてコントロールルームに戻った時、ファウード強奪を目論むゼオンが急襲してきました。

かねてよりゼオンの強さを知っていたリオウは、おびえつつも全力で迎え撃ちます。

しかし2人の実力差は圧倒的で、瞬く間にリオウは蹂躙されファウードのコントロールキーを奪われるのでした。

新たにファウードの主人となったゼオンは2つの宣言をします。

  1. ファウードに触れながら『ゴデュファ』と唱えた魔物にはファウードの魔力を分け与える(ただし、その代償として自分に服従する奴隷となる)。
  2. ファウードの転送装置は破壊し、ファウードは人間界に”捨てる”

 

転送装置の死守と、ゼオンの打倒がガッシュたちの目的となりました。

ゼオンとの死闘/バオウの暴走

“ゴデュファの契約”によりゼオンの奴隷となった魔物たち、そしてファウードの体内魔物たちを倒してガッシュたちはゼオンのもとへたどり着きます。

戦いの中ではバリーやウォンレイたちが犠牲となりましたが、いよいよガッシュとゼオンは直接対決をします。

 

前述したように、リオウ戦がきっかけとなりガッシュの中に眠っていた力が覚醒しました。また、生死の境をさまよった清麿は才能が覚醒しIQが跳ね上がりました。

 


万全の態勢でゼオン戦は始まります。

しかしゼオンの実力は高く、勝負はガッシュたちが劣勢でした。

そしてゼオンが最大呪文を放った時、清麿は危険性を感じながらバオウ・ザケルガを放ちます。

 

ガッシュの紹介記事で示したように、バオウは魔物たちの負の感情を吸収する性質を持ちます。

これまでの戦いでそれが許容量が近づいていたことに加え、ガッシュがリオウへ激しい怒りを向けた時にバオウは人知れず負のエネルギーに染まっているのでした。

 

現れたバオウは禍々しく変質しており、ガッシュは一度バオウに飲み込まれます。

“バオウをガッシュに奪われたこと”が憎しみの根源だったゼオンも、初めて目にしたバオウの脅威に圧倒されます。

 

しかしガッシュはこれを乗り越え、バオウを制御し同時にゼオンを打ち破るのでした。

和解

ガッシュへの憎しみが間違いだったことを自覚したゼオンは、兄としてガッシュに謝りました。

ガッシュはゼオンを受け入れ、自分に大切な家族がいたことを喜び涙します。

 

戦いの影響でゼオンの本には火の手が回っており、ゼオンは魔界へ帰ることとなりますが、去り際にガッシュに自らの力を託します。

「オレの雷の力を、すべてお前に渡す。これで、一度きりだが、バオウはもっと強くなる。」

 

ファウードを止めろ

戦闘の影響でゼオンが所持していた、ファウードのコントロールキーが壊れました。

ファウードは暴走し、目前に迫っていた日本を蹂躙しようとします。

 

転送装置の起動時間は迫っており、清麿たちはファウードを前線で食い止めることを決めました。

 

ガッシュはゼオンに与えられた力をもとにバオウ・ザケルガ(真)を放ちます。
(向かって左が今回発動したバオウ・ザケルガです。比較対象がありませんが、ファウードを軽く超える大きさを持ちます。)

ファウードはバオウ・ザケルガによってクロコゲとなり、そのまま魔界へと転送されました。

戦いが終わって

戦いが終わり、ガッシュは多くの仲間を失いました。

 

しかし、最も強い孤独を感じたのはゼオンのパートナーであるデュフォーでしょう。

たぐいまれなる才能のせいで親に売られたデュフォーは、ゼオンに出会うまで天涯孤独でした。

そしてゼオンが去った今、デュフォーは生きる目的を失いかけます。

それでもゼオンが残した”生きろ”という言葉と、ガッシュが自分のために流してくれた涙の意味を考えながらデュフォーはさまよいます。

 

そんな中たまたま訪れたアフリカの地で救った村人から感謝された時、デュフォーは“愛”という概念を知り、同時にゼオンが自分のかけがえのない”家族”であることを自覚し涙するのでした。

その後デュフォーがどんな生活をしているのかは描写されていませんが、続くクリア編で清麿たちに助言をするために再び現れました。

 

 

なお、この直後に残存する魔物の数が10体となります。

この戦いがクライマックスに近づく中で、ガッシュは自分が倒すべき“最後の敵”を知るのでした。