線は、僕を描くのネタバレ
初詣
「遅い!」
「青山君、まだ来ないの?」
古前君と川岸さんは、青山くんが来るのを待っていた。
みんなで初詣に行く約束をしたのだった。
青山君だからなぁ・・・
そう古前君が言っていた時、やっと青山くんが来た。
「ごめん。古前君、川岸さん!」
やっと来た、と声の方を見たら
「描いてたら時間になってて・・・」
あけましておめでとう、と言う青山君の髪の毛が、短くなってる!
心無しか、キラキラしてる・・・
「知らない人がきた・・・」
「偽物じゃないの?」
と、信じられない、といった対応する。
「いやいやいや」
青山くんで間違いない。
気を取り直して、3人でお参りへ。
お賽銭をいれて、3人並んでお祈りをした。
「青山君は何をお祈りしたんだ?」
古前君が聞いた
「僕は・・・」
と話そうとしたとき、ふとくしゃみをしたくなった。その時に
「青山くん、こっち!」
川岸さんから声をかけられて、そっちを向いたら
カシャ!
くしゃみをする直前の、変な顔を写真に取られた。
「今の写真、千瑛さまにおくるね。」
髪切ったことを報告しないと、と川岸さんは楽しそうに言った。
3人で帰る途中、青山くんが何度かくしゃみをしていた。
古前君が
「風邪ひいてるんじゃないか?」
大丈夫だと思うけど・・・
と話す青山君に、古前君が体調管理だぞ、と言った。
「大事な時なんだろ?風邪ひいてる場合じゃない」
うん、と青山くんが返事をして、古前君と川岸さんは仲良く2人で帰っていった。
手をつないで。
その様子を青山くんがあたたかく見送った。
髪を切った理由
僕が髪を切ったのは
両親の写真に聞くをそなえた日に、千雪に言われてなんとなくだった。
「その長い前髪を切ったら、見通しもよくなるんじゃない?」
あなたの勝手だけど、と千瑛は言った。
じゃ、行くわと千瑛は帰ろうとした。
「次に会うときは、今度こそ湖山賞よ」
あの時の千瑛の顔を思い出した。
あの日・・・
たった1日でいろんな事が変わった
それは傍目には小さな変化だろうけど・・・
寒い寒いと言いながら、部屋に入った。
目に飛び込んできたもの
カーテンの向こうに広がる青い空と、僕の帰りを待っていた菊
「よし、やるか!」
命をみる
さっそく画仙紙に向かう
菊はまだ描けていない
描こうとすれば遠ざかるー
湖山先生のように、命を描く
でも、描くほどにそこから遠ざかる
遠ざかっていることだけはわかっている。
けどー
その理由がわけらない
いろいろ考えていたら、わからなくなった。
筆をおく
「菊に教えを請え」
と、湖山先生が言っていたのを思い出したので
「・・・どうしたらいいですか?」
思わず菊に聞いてみた・・・同時にくしゃみが出た。
「熱、計るか」
とりあえず計ったら、38・2
熱があるとわかったら、急に体が・・・
毛布をかぶって、薬を探して飲んだ。
命をみなさいー
湖山先生にそう言われて、何度も頭の中でイメージした
こんな感じだった。ちゃんと覚えているんだ。
葉の書き方、実の書き方
何度も心の中で描いた
西濱さんは、こうして・・・
翠山先生は、こうで・・・
斎藤さんは・・・
千瑛は・・・
心の中で、巨大な水墨画を描いていた
夢中になって・・・
なにかをみつけたとき
いつの間にか、寝ていたみたいだった。
目が覚めた時、僕の目に入った1輪の菊
目を見開いた
寝る前に見た菊とは全くちがう
光はとまらない
描き終わる頃には、光も影も形を変える
筆では、手では遅すぎる
描くべきは、目の前の現象じゃないー
「命をみなさい」
僕はそれを知っている
誰よりも知っている
ー1輪の花のなかにすら、それはある
なんの考えもなく、墨をすった
筆をとって、描き始めた。
28話のまとめ&感想!
きましたね、来るべき時が。
青山くん、とうとう描きだしましたね。
とても不思議なきっかけで、でも必然のような状況でした。
とても命を感じる線を描いてくれることでしょう。
楽しみです。
髪の毛を切った青山くんは、なんだか新鮮でしたね。
長かった前髪も好きでしたが、今のスッキリしたのもいいですね!