リングにかけろ

リングにかけろ 高嶺竜児 影道の塔での戦いPART①

「リングにかけろ」概要

作者/車田正美

掲載誌/週刊少年ジャンプ

連載期間/1972年2号~1981年44号

主な登場人物/高嶺竜児 高嶺菊 剣崎順 香取石松 志那虎一城 河井武士 など

主人公高嶺竜児がプロボクサーだった亡き父の遺志を継いで世界チャンピオンを目指すべく、姉である菊の教えを受けて成長していくいわゆるスポ根系のボクシング漫画。

略称「リンかけ」

リングにかけろ 高嶺竜児 影道の塔での戦いPART①

影道一族とは?

影道の塔での壮絶な戦いを語る前に「影道一族」について今一度おさらいしておかねばなるまい。

さかのぼること大正10年に日本におけるボクシングは誕生したが、その本流とは別に影の流派が存在したという。その中心となった男の名が影道であった。

影道のボクシングは相手を死にまでも追いやる拳闘術であり、本流の公式ルールのもとに作られた健全なスポーツとは間逆のスタイルであった。

ゆえにそれは邪道と呼ばれ、本流からは全く相手にされず、一度は消滅したかに見えたが、その無骨なスタイルに惹かれた若者たちによって、ひそかに闇から闇へと受け継がれた。

その日本ボクシング界の残党「影道一族」が、どういう目的かは定かではないが、全日本チャンピオンの座についた高嶺竜児に牙を剥いたというわけである。

ある日、買い物帰りの竜児の姉・菊に影道の下っ端3人が因縁をふっかけた。

菊は自慢の拳を振るうが、さすがに相手が男3人では分が悪く、彼らの攻撃に屈し、連れ去られてしまう。

その知らせを受けて、怒りの導火線に火がついた竜児は菊が捕らわれの身となっている影道の塔へ出向くのである。

一の階 朱雀の間

竜児は影道の塔に行く前に大村ジムの会長からカイザーナックルを預かる。

これを拳にはめるとパンチ力が10倍も増すという。

竜児は試しにカイザーナックルをはめて、そこら辺の電柱にパンチを打ち込んでみる。

すると電柱は真っ二つに折れ曲がってしまった。確かにすさまじい威力だ。

本来であれば器物損壊の罪で警察に出頭すべきところだが、竜児は菊を助けるためにそれどころではない。

そしてカイザーナックルをたずさえ影道の塔へと向かうのである。

影道の塔は法隆寺などの五重の塔に酷似した佇まいである。

一の階、朱雀の間の扉を開けると、竜児を待ち受けていたのは朱雀百人衆と名付けられた文字通り100人の影道ボクサーたちだった。

1人1人はショッカーの雑魚キャラにも近い戦闘力だが、なにせ100人もいるので、そう簡単には突破できないのでは?と思いきや

そこは日本チャンピオン、縦横無尽にパンチを打ちまくり、またたくまに雑魚どもを片づけてしまう。

石松が応援のために影道の塔に到着した頃には辺り一面死体(死んではいないと思うが?)の山が出来上がっていた。

二の階 青竜の間

次は二の階、青竜の間

扉を開けるといきなり、丸太一本が橋の代わりに端から端に渡されているだけの部屋が出現。

橋の下には池の如く水が張られており、そこには無数のピラニアがうようよとうごめいている。

パンチを食らってバランスを崩し、下に落ちようものなら、即ピラニアの餌食となるというわけだ。

相手はスキンヘッドの大柄で屈強な男(名前は明かされていない)

戦いが始まり、短期決戦をねらう竜児はすぐさまパンチを打ち込むが、この男には全く効いていない。

仕方なく必殺のブーメランフックを惜しげもなく発射!

いつも通り相手の胸の当たりが引き裂かれ、肌身があらわになる。

と思いきや、なんとこの男、鋼鉄のよろいを身にまとっているではないか。

これは明らかに反則だろう。確かにやり方が邪道である。

ならば邪道には邪道鋼鉄には鋼鉄

ということで、竜児は会長から預かったカイザーナックルをすかさず装着し、渾身の右ストレートをぶっ放す。

BUNCH!!!!

カイザーをはめた拳は鋼鉄を突き抜け、男の生身にめり込むかたちで到達し、男は倒れこむがピラニアの待つ池に落ちるにはいたらなかった。

おそらく竜児は少し手を抜いたのだろう。

無駄な殺生はしないという竜児のやさしさが垣間見える。

それにしてもカイザーナックル恐るべしだ。

青竜の間突破!

だか戦いはまだまだ続くのだった。

PART② 三の階、玄武の間に続く