リングにかけろ 日本代表vs影道 千里丘陵血戦を斬るPART②

「リングにかけろ」概要

リングにかけろ 日本代表vs影道 千里丘陵血戦を斬るPART②

影道総帥登場

千里丘陵血戦のメインイベント高嶺竜児vs影道総帥の試合に行く前にまずはここまでのおさらいとセミファイナルにあたる剣崎の試合について触れねばなるまい。

第1試合 ○志那虎一城vs魔風
第2試合 ○河井武士vs黒夜叉

日本代表が2連勝した後、突如その男は登場した。

影道総帥こと剣崎殉である。

石松はこの総帥を見たとたん、あまりのそっくりさに剣崎順と勘違いする。

それも束の間、いつのまにか兄である剣崎順もその場に現れる。

この二人は以前紹介した通り、双子の兄弟の関係。髪形がちがうのと、総帥には顔に傷があることを除けば、ほぼ瓜二つの容姿である。

長男の順が剣崎家の跡取りとなることから、弟の殉は影道に養子に出されるという不遇な運命をたどり、その順に劣らぬ類まれな格闘センスで影道のトップの座に君臨した。

総帥はこれまでの部下の戦いぶりを情けなく思ったのか、第3試合は自分が出ると豪語した。

これに対し総帥の相手を買って出たのは兄・順ではなく、日本代表エース高嶺竜児であった。

この2人のすさまじい試合はわけあって途中でいったん中断となり、

第4試合の石松vs死神戦を経て、セミの剣崎vs幽鬼のあとに再開される。

まずは剣崎の試合を振り返ろう。

第5試合 剣崎順vs幽鬼

総帥と竜児の決着が着くまではこの戦いを終わりにするわけにはいかないと剣崎にケンカを売ったのは影道の副将格である幽鬼だった。

幽鬼によれば、総帥は最後までこの戦いを好まなかった。かりたてたのはわれわれだ。とのこと。

てことは総帥こと剣崎殉は兄である順や竜児と戦うことを望んではいなかったということか？

影道の悲願は「日の当たる場所に出たい」ということではなかったのか？

すなわちそれはこれまで影の道で生きていくことを余儀なくされた殉の思いそのものではなかったのか？

もう一つ謎がある。

この一戦にはとてつもなく大きな力が動いていると大村会長は推測した。

その大きな力とは紛れもなく剣崎コンツェルン、すなわち剣崎順の力といってもよい。

兄は弟に日の目を見せるため、この一戦を後押しし檜舞台を用意したのではなかったか？

もしかすると総帥が第3試合を買って出た時、剣崎が相手に立候補しなかったのは、弟に日の目をみせてやりたいという思いが強く働いたからではないか？

殉は自分には勝てない。ただ竜児にはもしかすると勝てるかもしれない。

だがもちろん永遠のライバルである竜児にもこんなところで負けてもらっては困る。

そんな葛藤が剣崎にはあったのかもしれない。

ともかく剣崎は幽鬼の誘いに乗って、リングに上がる。

試合開始

「おめえの気持ちに免じて相手をしてやる、手かげんぬきでな」

CRASH!!!

言葉通り、全く手かげんぬきの左ストレート一閃。

剣崎、またもや瞬殺!!

「相変わらず、完璧な強さだ」

(志那虎・河井・石松 談)

次回へ続く