「リングにかけろ」概要
作者/車田正美
掲載誌/週刊少年ジャンプ
連載期間/1972年2号~1981年44号
主な登場人物/高嶺竜児 高嶺菊 剣崎順 香取石松 志那虎一城 河井武士 など
主人公高嶺竜児がプロボクサーだった亡き父の遺志を継いで世界チャンピオンを目指すべく、姉である菊の教えを受けて成長していくいわゆるスポ根系のボクシング漫画。
略称「リンかけ」
リングにかけろ 世界大会 日本代表vsイタリア代表
マフィアジュニア
いよいよ世界大会が開幕。
1回戦・2回戦を全て連勝で難なく勝ち上がった日本代表の次なる相手はイタリア代表だった。
マフィアジュニアと恐れられ、いかにもそれらしき風情のイタリア代表はここまで全て不戦勝で勝ち上がってきたが、その裏には何かきな臭い後ろ楯があるようだった。
1回戦のタイ戦は選手の負傷による欠場、
そして2回戦はあのブラックシャフト擁するアメリカ代表との一戦だったが、彼らは何と試合会場へ向かう途中で交通事故に遭い、全員病院に搬送されたという。
そしてイタリア戦の前夜、日本代表にもその魔の手が忍び寄る。
選手寮でくつろいでいた竜児に「姉・菊が面会に来た」とある男が訪ねてくる。
その男はイタリア代表の刺客で竜児を外におびき出し、いきなりナイフで切りつけてきた。
しかしこのことがイタリアサイドにとっては結果的に裏目に出てしまう。
竜児は襲いかかってきた刺客を選手寮の建物のはるか上の方の壁まで盛大に吹っ飛ばす。
この威力はまさか…..
そう、竜児の左腕に宿っていたブーメランスクエアーが完全覚醒した瞬間だった。
日本代表の他のメンバーのもとにもそれぞれ刺客はやってきたようだが、もちろん全てあっけなく一蹴された。
かくして波瀾含みの一戦が幕を開ける。
石松大活躍!
日本代表vsイタリア代表開戦。
日本の先発は斬り込み隊長こと香取石松だ。
イタリアの先発は名前不明の伊達男。
ゴングが鳴るやいなや石松のパンチが火を吹き、あっという間の秒殺劇を見せる。
「おらっ、次だよ。さっさと上がってこい!」
石松は個人戦のルールを無視して、次の選手を呼ぶ。
世界大会であるにも関わらず、石松の提示したルール変更はレフリーにあっさりと受け入れられ、次の伊達男の登場。(名前は不明)
この男にも石松はアッパーとフックで連勝。日本代表のレベルの高さを見せつける。
イタリアの3人目はディノベーゼという選手。
ここまで石松にやりたい放題やられ、劣勢のイタリア勢、大将格のドンジュリアーノがたまらず
「いつもクールでいろ、ダンディーとキザはちがう!」
などとカタギの人間にはとても理解不能なゲキを仲間に飛ばすが、その効果も虚しく、前の2人と同様に石松にカンプなきまでにぶちのめされる。
イタリアの4人目(名前なし)は副昇格だろうか?さすがの石松にもやや疲れが見えてきたようで、この男の攻撃を少しもらってしまう。
ここで石松は「ならばこれしかない」とばかり空中にテイクオフし、今まで温存してきた十八番のハリケーンボルトを発射する。
もちろん相手はこれに屈し、破竹の4連勝を飾る。
コーザノストラVSブーメランスクエアー
石松の活躍で日本の4-0で迎えた大将戦は高嶺竜児vsドンジュリアーノ。
明らかにこのドンという男は雑魚の4人とちがって、マフィアの血が騒ぐ、いかにも手ごわそうなシシリアンダンディーだった。
1R開始直後、会場が一つになり竜児の新パンチ披露が待たれる中、ドンジュリアーノがいきなり必殺技のコーザノストラ(右のフックとアッパーの中間のようなブロー)を敢行。
BRAASSH!!!!
勝ちを確信したドンだったが、百戦錬磨の竜児がこれぐらいで終わるわけはなく、深いダメージを追いながらも立ち上がる。
そして今度は反対に竜児の左腕がドンに炸裂。おっとこれはいよいよ新パンチか?
SHNOKK!!!!
ドンは場外へ吹っ飛びはしたが、新パンチにしてはインパクトが少し弱い気がする。
どうやらこれはブーメランのすっぽ抜けだったようだ。
ここで1R終了のゴング。
ラウンドインターバル中 (新パンチのあまりの威力に相手を殺ってしまったらどうしよう)と新パンチを出すことを躊躇している竜児に対し、剣崎がアドバイスを送った。
「もう一発コーザノストラをもらったら、今度こそおだぶつだぞ竜、心配するな。相手もあれだけの反射神経を持った男だ。死にゃあしねえ、次のラウンドでぶちかませ!」
「そうだ! 思いっきりいったれ竜!」石松も後押しする。
そして2R開始のゴング。
ドンジュリアーノはこの期に及んで暴力の正当性についてうんたらかんたらと竜児にほざいているが、
「ボクシングを暴力と考えてリングに上がっているなら、お前らにボクシングをする資格はない!」と竜児は反論。
もはやまったなし。
コーザノストラVSブーメランスクエアー、対決の時は来た。
シュバアアアアアアーン!!!!
すさまじい衝撃音と観客の雄叫びが交錯する中、ドンジュリアーノは会場の窓ガラスをぶちやぶって、外の池の中へと真っ逆様に急降下する。(剣崎さん、死んでないですよね?)
恐らくこの一撃はこれまでの「リンかけ」史上において、相手を吹っ飛ばした飛距離としては最高記録を更新したのではないかと思われる。
超必殺ブロー、ブーメランスクエアーが公式試合で放たれた記念すべきシーンだった。
結果、日本代表の全勝で次の戦いへコマを進める。
- 高嶺竜児 必殺技 ブーメランフック
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