「リングにかけろ」概要
作者/車田正美
掲載誌/週刊少年ジャンプ
連載期間/1972年2号~1981年44号
主な登場人物/高嶺竜児 高嶺菊 剣崎順 香取石松 志那虎一城 河井武士 など
主人公高嶺竜児がプロボクサーだった亡き父の遺志を継いで世界チャンピオンを目指すべく、姉である菊の教えを受けて成長していくいわゆるスポ根系のボクシング漫画。
略称「リンかけ」
リングにかけろ 高嶺竜児 影道の塔での戦いPART②
三の階 玄武の間
影道の塔、朱雀の間、青竜の間をクリアーした竜児だったが、先はまだまだ長い。
三の階、玄武の間に到達。
扉を開けると、眼前に重油とコールタールの沼が広がっていた。
その中から現れた重油+コールタールまみれの爬虫類っぽい男が今回の相手のようだった。(青竜の間の時と同じく名前はない)
戦い始め。
竜児、早めに勝負をつけようと先制攻撃に出ようとするが、沼に足を取られて思うようにパンチが当たらない。
両足に付けているパワーアンクルがこの状況では足かせとなっているようだ。
そんな時は「これしかない!!」とばかり、
必殺のブーメランフックを放とうとする。
がしかし、いつのまにか背後からもう一人の敵が出現し、竜児の腰の当たりにパンチを打ち込んできた。
どうやらこのつるっぱげの男は沼の中に潜んでいて、じっと攻撃の機会をうかがっていたようだ。
玄武とは「蛇と竜」すなわち双身一体の闘神のこと。爬虫類野郎がくどくど説明する。
とどのつまりこの階の相手は2人というわけだ。
相手が増えたことで、ますます竜児は劣勢となりパンチの雨あられをもらって、たまらず沼の中へとダウンする。
爬虫類男たちは竜児が沼の底で息絶えたと勘違いし油断していると、
いきなり高々とジャンプして竜児復活。
どうやら沼の底でパワーアンクルを外したようだ。
足かせが外れた竜児のスピードは先程とは比べものにならない。
電光石火の攻撃でダブルKO!!
これで玄武の間をクリアー!
残り2階!
四の階 白虎の間
四の階 白虎の間に現れたのはこれまでの怪物染みた男たちとはちがって、なかなかイケメンのロンゲ男だった。
手には両端が鎖でつながった手錠のようなものをグルグルと回しており、いきなり竜児めがけてそれを放ってきた。
手錠は竜児の左手にガチッとはまり、(もう片方はロンゲの手にはまっている)
竜児は至近距離での戦いを強いられることとなった。
ロンゲが髪を振り乱し、いきなり殴り掛かってくる。竜児はこれをギリギリのところでかわす。
パンチは背後の壁にめり込み、壁をこなごなに破壊した。
とんでもないパワーだ。
と思って、よくよく見れば相手の拳には何とダイヤモンドが埋め込まれているではないか?
ダイヤモンドナックル。
こんなもので殴られれば、竜児とてひとたまりもない。
竜児は対抗してカイザーナックルを素早くはめようとするが、それをロンゲは弾き飛ばし、ダイヤモンドパンチで持って襲いかかってくる。
終わった。
かに見えたが、そこへ体を張って飛び込み、パンチを受けたのが、盟友香取石松だった。
石松のアバラはダイヤモンドの衝撃で2・3本折れてしまったようだ。
ていうか、ダイヤで思いっきり殴られてそれぐらいのダメージですんでしまう、この男はやはり常軌を逸した超人といわざるを得ない。
その後もロンゲの猛攻は続く。一発でも当たれば脳天を吹き飛ばされそうだ。
石松ここで、カイザーナックルを拾い上げ、竜児にロングパスっ!!
カイザーは竜児の右手にするすると収まり、カイザーVSダイヤモンド、拳と拳の対決となる。
BUHKOOM!!!
勝ったのはカイザーだ!
これでカイザーナックルは地上で一番固いとされるダイヤモンドよりもさらに固い物質で作られていることが判明する。
一体何でできているというのか?
さあ、いよいよ最上階だ。
最上階 鳳凰の間
最上階 鳳凰の間に待ち受けていたのは影道No.2と目される男、野火だった。
慎重はゆうに2mは超えそうな筋肉質の大男だ。
野火の背後にある巨大な仏像の左手には両手両足を縛られた下着姿の菊があった。
その姿を見て、竜児の怒りは沸点に達す。
野火はこれまでの邪道な戦い方を詫び、この戦いは正々堂々とやると宣言した。
菊は今の竜児の力ではこの野火には勝てないと直感するが、口を布で塞がれているので、止めることもできず、無情にも戦いは始まってしまう。
竜児は右に左にパンチを打ち込むが、屈強な肉体を誇る野火には全く通用しない。
逆に野火の反撃のパンチを盛大に食らってしまう。
やはり菊のいう通り、この男には勝てないのか?
野火はパンチを繰り出しながら、竜児をおびきだした理由をここでタラタラと吐露する。
本流のボクシングに相手にされず、これまで屈辱を受けてきた影道の悲願は日の当たる世界に飛び出すこと。
そしてそれを果たすにはチャンピオンである竜児を倒して代わりに世界大会に出ること。
この野火の洒落臭い告白は竜児の怒りのヴォルテージを一気にレッドゾーンまで引き上げる結果となる。
「だったら、なんで姉ちゃんを巻き込むんだ!」
「最初から正々堂々と勝負しやがれーーー!!」
姉・菊へのハンパない愛情が竜児の実力を2倍にも3倍にも押し上げた。
形成逆転し、竜児の速射砲が炸裂する。
そしてクライマックス、問答無用のブーメランフックが野火の顔面に的確にヒットする。
野火たまらずダウン、竜児快勝!!
「お前にボクシングを教えてから、姉ちゃんは今日という日ほど感動したことはないよ」
竜児のたくましく成長した姿を頼もしく思い、涙する菊であった。
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