リングにかけろ

リングにかけろ 高嶺竜児 必殺技 ブーメランフック

「リングにかけろ」概要

作者/車田正美

掲載誌/週刊少年ジャンプ

連載期間/1972年2号~1981年44号

主な登場人物/高嶺竜児 高嶺菊 剣崎順 香取石松 志那虎一城 河井武士 など

主人公高嶺竜児がプロボクサーだった亡き父の遺志を継いで世界チャンピオンを目指すべく、姉である菊の教えを受けて成長していくいわゆるスポ根系のボクシング漫画。

略称「リンかけ」

高嶺竜児 強化アイテム パワーリスト

高嶺竜児の必殺技を紹介する前にまずは必殺技習得のカギとなった強化アイテム「パワーリスト」「パワーアンクル」について触れておく必要がある。

パワーリストとは皮素材のリストバンドの中に鉛が仕込まれたアイテムのこと。

竜児の姉・菊は左ジャブに続く第二のパンチ右ストレートを教える頃から、これを竜児に装着させて指導を行った。

練習中は腕が異常に重たいが、実戦ではこれを外すことでパンチ力やスピードが倍増するという仕組み。

かの有名な「巨人の星」の大リーグボール養成ギブスを連想する人も少なくないだろう。

当時は「リンかけ」の影響でこれが爆発的に流行し、小生も恥ずかしながらこのパワーリストを通販で密かに購入して、パンチの練習などをした。

パワーリストを何時間か身につけた後、外してパンチを打ってみると、マンガの通り確かに腕が軽くなり、素早く打てるようになった気はしたが、

幸か不幸か実戦で試す機会は訪れなかったため、今となってはその効果の程は定かではない

都大会前から菊はパワーリストの足首版であるパワーアンクルを追加し、竜児の足首に巻かせる。

これは主にフットワークの強化をねらったものであり、パワーリストと合わせて使うことで、竜児のパワー&スピードは格段にアップした。

高嶺竜児 必殺技 ブーメランフック

高嶺竜児のブーメランフックが誕生したのは竜児がチャンピオンカーニバルの東京都代表に選ばれた頃。

その本番に向けて菊は左ジャブ、右ストレートに続く第3のパンチ「左フック」を竜児にたたき込んだ。

さらに菊は左フック習得のための特訓を開始した頃から竜児のパワーリストを今までの片腕400gから倍の800g にアップさせる。

このことが作用したのか菊は竜児の放つ左フックを受ける際に何かしらの違和感を覚える。

試しにパワーリストを外させて左フックを受けると、菊はミットごと手のひらの肉を切られてしまう。

竜児の放つフックはパワーリストの効果でとんでもない破壊力を秘めていたのである。

これはパワーリストが生んだ副産物かも知れない。”と思った菊はこの変形の左フックを「ブーメランフック」と名づけた。

それから竜児はハードな練習を重ね、ブーメランフックは完成形となり、当たった相手には脇腹から肩口にかけて、ざっくりと切り裂いたような傷跡が残るKO必至のパンチに成長した。

その正体はどうやら、インパクトの瞬間に肩、肘、拳を連動させて内側にひねりこんでパンチ力を倍増させるという、

実在する伝説のパンチ「コークスクリュー・ブロー」であることが後に判明する。

破壊力はハンパないが、腕にかかる負担は非常に大きく、連発すると腕に大きなダメージを負ってしまう。

当時中学生だった竜児にとってはまさに諸刃の剣のようなパンチであった。

竜児がブーメランフックを最初に放ったのはチャンピオンカーニバル3回戦の高嶺竜児 vs 織田攻の試合。

さらに準決勝の志那虎一城戦で一発ぶちかまし、決勝の河井武士戦では最初で最後のダブルブーメランを放っている。

※ダブルブーメラン….ブーメランフックの強化版?フォームに大したちがいはないようだが、きっと破壊力がダブルなのだろう。

おわりに

今回は「リングにかけろ」主人公、高嶺竜児のブーメランフックについて解説しました。

実はこのブーメランフック、ストーリーが進むごとにブーメランスクエアー→ブーメランテリオスとバージョンアップしていきます。

そのあたりを踏まえ、次回は高嶺の必殺技の進化について、お伝えしていきます。

どうぞお楽しみに!